SNSの普及により、視聴者は受動的な受け手ではなくなった。放送中の美談に対し、リアルタイムでファクトチェックや冷ややかなツッコミが入る。特に障害者を「感動の道具」として消費しているのではないかという「インスピレーション・ポルノ」への批判は、年々その熱量を増している。
当事者の尊厳を置き去りにした演出は、今の時代、共感ではなく反発しか生まない。汗を流して走る姿や涙を流す姿をクローズアップする手法は、かつての昭和・平成期には通用したかもしれない。しかし、価値観が多様化した現在においては、押し付けがましい「感動」はかえって視聴者を白けさせる要因にしかなっていないのだ。