しかし、この壮大な「黄色の雨」は永遠には続かなかった。投げ込みが過熱するにつれ、競技運営上の問題が表面化し始めたのだ。演技後の大量のぬいぐるみ回収には相応の時間を要し、テレビ放送のタイムスケジュールや次滑走者のウォーミングアップ時間に影響を与えるケースが増加した。さらに、包み紙から飛び出した微細なゴミや静電気による糸くずが氷上に残ると、次に滑る選手の刃がかかり、重大な転倒事故につながるリスクも指摘された。
これを受け、国際スケート連盟(ISU)および日本スケート連盟は、安全確保とスムーズな進行を理由に、リンクへのプレゼントや花の投げ込みに関する規制を段階的に強化。最終的に投げ込み自粛のガイドラインが定められた。熱狂的なファンにとって悲しみもあったが、選手の安全と競技の公平性を第一に考える羽生自身の思いとも合致しており、ファン側もマナーを守った応援へと速やかにシフトしていった。