ベンチでの駆け引きもまた、極上のエンターテインメントだ。レアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティは、試合展開に応じた自在な戦術変化と、選手の能力を最大限に引き出すマネジメントの真骨頂を見せる。敵の隙を見逃さず、カウンター一撃で仕留める勝負強さは百戦錬磨の老練さゆえだ。
対照的に、FCバルセロナのハンジ・フリック監督は綿密に計算されたハイプレスとコンパクトな陣形を追求する。相手のビルドアップに対して果敢に圧力をかけ、敵陣深くでボールを奪って素早く最短距離でゴールへ迫る。アンチェロッティの柔軟性とフリックの規律。ピッチ上のチェスゲームにおいて、一瞬の采配の遅れが命取りとなるのは間違いない。