かつて「百合」といえば、少女たちの清らかで美しい精神的結びつきを描くものが主流だった。しかし本作は、その美しい庭園に泥水を流し込むかのような衝撃を与えた。肉体的な痛みや精神的な陵辱を通じてしか表現できない愛があることを、白日の下に晒したのである。
このアプローチは、その後の百合ジャンルにおける「ダーク百合」や「サイコ百合」といったサブジャンルの確立に決定的な影響を与えた。本作が切り拓いた地平は広く、今や多くのフォロワー作品が生まれているが、本作が放つ独特の「湿度の高さ」と「逃げ場のなさ」を超える作品は未だ現れていない。