ソーシャルメディアや大手掲示板では、上方婚をめぐる議論が常に紛糾しています。上方婚のネットの反応を分析すると、男性側からは「女性は権利の平等やジェンダー平等を訴えながら、結婚となると昭和の男尊女卑的な経済依存を押し付けてくる」「年収400万円の女性が年収800万円の男を求めるのは、単なるATM探しではないか」といった辛辣な批判が目立ちます。
一方の女性側からも「非正規雇用の女性が多い社会で、子育ての金銭的負担をひとりで背負えるはずがない」「リスクヘッジを『贅沢』と叩くのは女性の置かれた貧困の矮小化だ」という強い反論が飛び交い、議論は平行線をたどっています。
感情的なバッシングの応酬を排して構造的なメカニズムを見つめ直すと、上方婚の未婚化の背景と上方婚が少子化の原因に直結している冷酷な因果関係が浮き彫りになります。人口学の研究者が指摘するように、国全体の婚姻件数は「結婚条件を満たす男女のマッチング総数」に規定されます。女性の大半が上位2割の男性しか結婚対象とみなさず、かつ女性自身が高学歴化・高収入化することで「自分のスペック以上」の男性の絶対数が減少しているため、数学的にマッチングが成立しない層が大量に取り残されるのです。
「妥協して結婚するくらいなら一生独身でいい」という未婚男女の増加は、まさに上方婚の限界が社会全体に未婚化と少子化という激震をもたらしている現場の証拠と言えます。