かつては少数派とみなされていた選択が、いまや明確なマジョリティの一角へと躍り出ている。厚生労働省が公表した最新の人口動態関連統計や、国立社会保障・人口問題研究所が実施した意識調査の推移を見ても、未婚・既婚を問わず「子どもを持たない」人生を最初から想定する人の割合は過去最高水準を更新し続けている。若い世代を中心に、育児に伴う経済的コストやキャリアの中断に対する警戒感が強まっていることは明らかだ。
人口社会学の専門家は「単なる少子化問題という従来のフレームワークだけで捉えるのは限界に来ている」と指摘する。経済的な負担感だけでなく、個人の自己実現やライフスタイルの多様化に伴い、子どもを持たないこと自体を前向きな選択肢として捉える意識が根付いているからだ。従来の「持てない」という消極的理由から、「あえて持たない」という積極的選択への転換が、統計数値の端々に色濃く反映されている。