午前6時50分。市場の熱気が最高潮に達する。競り落とされたばかりのタイ、ハマチ、太刀魚が、水揚げされた船から目と鼻の先にある「どーや市場」の店頭へ即座に並べられていく。この圧倒的なスピード感こそ、八幡浜の真骨頂だ。
「うちの魚は、ついさっきまで海を泳いでいたやつばかりだからね」——威勢のいい店主の声が響く。刺身の角がキリッと立ち、口に含めば弾力のある歯応えと強烈な旨味が弾ける。併設の「どーや食堂」で提供される海鮮丼は、丼からあふれんばかりのネタが敷き詰められ、早朝から行列が途切れることがない。まさに海の恵みをダイレクトに胃袋へ叩き込む快感だ。