台所から漂う出汁の香りや、手もみで作られた漬物の風味。目分量と感覚で受け継がれてきた家庭の味が、今や料理研究家やフードテック企業の分析対象となっている。成分分析を活用して味の黄金比をデータ化し、未来へ残す取り組みだ。
都内のクラフト居酒屋では、店主の祖母が作った梅干しや味噌の菌株を保存し、商品化したメニューが予約待ちのヒットとなっている。「祖母の作るご飯には理由があった。科学的に解析すると、発酵のタイミングや塩分の減らし方が理にかなっていることに驚かされる」と店主は目を輝かせる。家庭の味が事業として昇華される事例は全国で増えている。