多くのドラマファンにとって、彼女の存在を決定づけたのは2000年代半ばの大ヒットドラマ『花より男子』シリーズだろう。井上真央演じる主人公・牧野つくしの親友、松岡優紀役で見せた芯の強さと優しさは、今なお視聴者の記憶に鮮明に残っている。過酷な状況にもめげず、主人公を陰ながら支える健気な姿は、作品の清涼剤として不可欠な要素だった。
しかし、ブレイクのきっかけとなったキャラクターが強烈であればあるほど、役者にとってはそれが「イメージの固定化」という壁になりがちだ。彼女はそのプレッシャーを静かに受け止めつつ、過剰な露出に頼るのではなく、作品ひとつひとつと丁寧に向き合う道を選んだ。単なる「青春ドラマのアイドル的ヒロイン」から脱却し、多様な人間の業や感情を表現できる演者へとシフトしていったプロセスは、極めて誠実なものだったと言える。