かつては、パッケージに印刷されたおじさんの笑顔だけで十分だった。安心安全の象徴として機能していたあの素朴なアプローチは、今やマーケティングの手垢が付いた手法として敬遠されつつある。消費者は気づいてしまったのだ。その写真が、必ずしも現在の耕作者のものではない可能性や、単なるイメージキャラクターに過ぎない場合があることに。
情報の非対称性は、スマートフォンとSNSの普及によって完全に崩壊した。今や店頭でコードをかざせば、その農場の現在の様子や、過去の出荷履歴までが瞬時に明らかになる。形骸化した安心感は、むしろ不信感を煽るトリガーにすらなり得るのだ。