意地悪な人物の精神構造を解明する上で、アドラー心理学の知見は極めて示唆に富んでいる。創始者であるアルフレッド・アドラーは、人間の健全な幸福感は「他者貢献」と「共同体感覚」の中にしか存在しないと断言した。
意地悪をする人物の本質は、激しい「自己執着」にある。他者を下げて自分を保とうとする愚行は、根底にある強い劣等感の裏返しだ。アルフレッド・アドラーが喝破した通り、他者を敵とみなして攻撃する者は、自らの手で安心できる居場所を破壊している。他者を蹴落とした先に残るのは、承認欲求に飢えたまま孤立する虚無の世界だけだ。