JR西日本が主導した「エキマルシェ新大阪開発プロジェクト」は、単なる駅ナカ商業施設の誘致にとどまらない一大イノベーションだった。辻調理師専門学校の辻芳樹校長をはじめとする食の権威や専門家の知見を意欲的に取り入れ、関西の豊かな食文化を駅という巨大インフラの中心で再構築する試みだったのだ。
駅ナカの常識を覆す本格的な昆布出汁の抽出や、職人が目の前で調理するライブ感あふれる演出は、従来の駅売りグルメの概念を根底から塗り替えた。こだわり抜かれた食材と緻密なメニュー設計が結実し、今や「通過するために立ち寄る場所」から「食べるために訪れる目的地」へと新大阪駅の価値を高め続けている。