物語初期のアンダーテイカーは、顔を覆い隠す長い灰白の長髪、不気味な黒装束、そして「最高の極上の笑い」を情報の対価として要求する風変わりな葬儀屋として描かれていました。しかし、単行本第13巻から第14巻にかけて描かれた「豪華客船編(カンパニア号編)」において、その隠された真実が一気に白日の下に晒されます。
前髪をかき上げたその素顔は、顔面から首筋、小指にかけて大きな縫い傷が走るものの、息を呑むほどの整った美貌の持ち主でした。その瞳は燐光を放つ黄緑色の「死神の瞳(ヘーゼル)」であり、彼がかつて死神派遣協会ロンドン支部に所属していた最高位の離脱組死神であることが確定しました。
アニメ版および劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』でアンダーテイカーの声を担当する声優・諏訪部順一氏は、奇怪で甲高い裏声から、正体を現した瞬間のドスの効いた色気あふれる低音ボイスへと一変させ、その圧倒的なギャップで視聴者を驚嘆させました。関係者の証言や当時のキャストインタビューでも、「道化を演じていた男の底知れない狂気と哀愁をどう同居させるか」が緻密に計算された至高の演技であったと高く評価されています。
さらに読者を震撼させたのは、その規格外の強さです。死神を引退する際に持ち逃げしたとされる銀色の「本物の死神の鎌(デスサイズ)」を操り、悪魔であるセバスチャン・ミカエリス、現役死神のグレル・サトクリフ、ロナルド・ノックスの3人を同時に相手取って終始圧倒しました。セバスチャンの心臓を一撃で貫き、走馬灯(シネマティック・レコード)を強制的に引きずり出す圧倒的武力は、作中最強キャラクターの一角として不動の地位を築いています。