離婚後の2000年代初頭、山下久美子は再び世間を驚かせる大きな決断を下す。2002年、シングルマザーとして双子の女児を出産したことだ。様々な世論のノイズが飛び交うなか、彼女は母親としての責任を果たしながら、自らの足でステージに立ち続ける道を選び取った。
かつてのパートナーとの決別、そして新たな家族の誕生を経て、彼女の歌声にはロック特有の疾走感に加え、圧倒的な包容力と豊かな人生の深みが宿るようになった。「ギタリストの妻」という世間が作ったフレームを完全に削ぎ落とし、一人の自立したアーティストとして揺るぎない再起を果たした瞬間だった。