テレビのスタジオにおいて、遠野なぎこが放つ言葉は時に狂気すら孕む。自身の経験に基づいた恋愛観や人間関係への批判は、忖度だらけの雛壇において異彩を放つ。一方で、矢口真里はかつて世間を揺るがせた大バッシングをくぐり抜け、自虐と気配りの絶妙なバランスで芸能界でのポジションを再構築した人物だ。
この二人が同じ空間に立った時、化学反応が起きる。遠野が踏み込みすぎる瞬間に、矢口がすかさず入れるフォローのスピード感。ただの傷つけ合いで終わらせず、エンターテインメントとして昇華させる暗黙の了解。それは長年、芸能界という巨大な怪物と対峙してきた者同士にしか分からない、特殊な間合いと言えるだろう。