タイパを重視し、倍速視聴で効率よく情報を処理することが当たり前になった現代人。彼らが求めたのは、皮肉にも「無駄だらけの熱さ」だった。本作に登場する探偵事務所の面々は、とにかく金がない。いつもインスタントラーメンをすすり、家賃の督促に怯えながら、依頼人を待ちつつくだらない雑談に興じている。だが、いざ事件となれば、抜群のチームワークと身体能力で街を疾走する。この「普段のユルさと、本気になった瞬間のギャップ」が、過度な競争社会に疲れた若者たちの心を優しくほぐしているのだ。
完璧なヒーロー像に憧れる時代は終わったのかもしれない。弱点だらけで、泥臭く、それでも仲間を決して見捨てない彼らの姿こそが、現代において最もリアルで愛されるキャラクター像となっている。