彼の演技の最大の魅力は、静謐さと狂気の境界線を鮮やかに跨ぐ力にある。代表作『School Days』の伊藤誠役で見せた若者の愚かさと破滅へのグラデーションは、当時多くの視聴者に強烈な印象を刻みつけた。あれから年月が経過した今もなお、その表現の幅は進化を止めていない。
特に『鬼滅の刃』における魘夢役は、彼の真骨頂とも言える「美声による異常性」の到達点だった。他人の悪夢を愛でる歪んだ快楽主義者を、うっとりとするような甘いトーンで演じきり、作品全体の緊張感を一気に引き上げた。イケメンボイスの持つ安心感を一瞬で裏切り、ぞっとする恐怖へと反転させる。この振り幅の大きさこそが、監督や音響監督から重宝される最大の理由だ。