パナマ代表に革命をもたらした最大の功労者が、代表監督を務めるトーマス・クリスチャンセンだ。バルセロナのアカデミー育ちであり、現役時代にはスペイン代表やブンデスリーガでプレーした彼の手腕は極めて鮮やかだった。2026年の就任以来、彼が着手したのは「カウンター頼みからの脱却」である。
クリスチャンセンは、後方からの徹底したビルドアップと、ピッチを広く使う「ポジショナルプレー」をチームに植え付けた。GKを組み込んだビルドアップで相手のプレスを誘い出し、生まれたスペースへ鋭い縦パスを打ち込む。さらに失点直後の即時奪還(ハイプレス)を徹底することで、試合の主導権を90分間握り続けるスタイルを確立した。かつてはフィジカル勝負に終始していたチームが、今や欧州トップレベルの戦術理論をグラウンド上で具現化しているのだ。