劇団俳優座の養成所を経てキャリアをスタートさせた平幹二朗さんは、重厚な台詞回しと圧倒的な身体表現で、日本の演劇史に不滅の足跡を刻みました。中でも世界的な演出家・蜷川幸雄さんとのタッグは伝説的です。
『王女メディア』では筋骨隆々の肉体でメディアの内なる情念を演じきり、『近松心中物語』や『リア王』など、数々の舞台で世界中の観客と批評家を熱狂させました。平幹二朗さんの存在なくして、蜷川演劇の世界進出は語れません。奇しくも、盟友である蜷川幸雄さんも同じ2016年の5月に他界しており、わずか5か月後に平さんが後を追う形となったことは、演劇界にとってあまりにも大きな損失でした。
1998年に紫綬褒章、2005年に旭日小綬章を受章し、2014年には文化功労者に選出されるなど、名実ともに日本のトップランナーとして君臨。80歳を過ぎてもシェイクスピア劇の膨大なセリフを完璧に身体へ叩き込み、舞台に立ち続けたストイックな姿勢は、今なお演劇人の生きた教科書となっています。