世論の過熱を受け、事態は一気に警察の本格捜査へと発展します。伸矢くんの父親である松岡政伸さんもテレビ番組を視聴しており、画面越しに見る青年の目元や耳の形に「息子の面影を感じる」とコメント。事態の真相を究明するため、警察による和田竜人 DNA鑑定結果の照合が迅速に行われることになりました。
徳島県警は松岡さん夫妻から採取済みのDNAデータと、和田竜人さんから採取した検体の照合を実施。そして2018年2月中旬、警察当局から公式に下された結論は、「両者のDNA型は一致せず、親子関係は存在しない」という非情な事実でした。
では、あの記憶喪失の青年は何者だったのか。DNA鑑定と並行して進められた身元捜査により、和田竜人 正体は三重県四日市市で失踪届が出されていた当時28歳の男性、北澤ひさしさんであることが判明します。実父とのDNA鑑定でも親子関係が100%証明され、和田竜人 本名が公に特定されたことで、同一人物説は完全に否定される結末を迎えました。なお、語られていた長期軟禁生活の証言についても、後の調査で事実とは異なる記憶の混同や虚言が含まれていたことが明らかになっています。