西郷隆盛という人物の多面的な魅力は、メディアを通じて繰り返し再発見されてきた。大河ドラマ『西郷どん』の劇中で描かれた熱き人間味と、政治家・軍人としての苦悩は、視聴者に「実際の西郷はどんな顔をし、どんな表情で笑っていたのか」という根源的な興味を呼び覚ました。
現在もNHKオンデマンドなどを通じて過去の歴史番組やドラマ作品を容易に視聴できる環境があり、明治維新史への関心は衰えることがない。フィクションとしての描かれ方と、実際の史料が示す冷徹な真実との落差を探る試みは、歴史ファンにとって尽きない探求の源泉となっている。西郷の顔写真が存在しないからこそ、私たちの想像力は掻き立てられ、作品ごとに新たな西郷像が投影され続けるのだ。