「赤福の偽物」と検索された際、しばしば名前が挙がるのが、同じく伊勢名物として知られる「御福餅(おふくもち)」だ。しかし、ここで明確にしておくべきは、御福餅は決して違法な偽物やコピー商品ではないという事実である。
御福餅を手掛けるのは、200年以上の歴史を持つ御福餅本家だ。同じあんこ包みの餅菓子であり、パッケージもピンクや赤を基調としているため、予備知識のない観光客が間違えて購入することが少なくない。その結果、類似品・模倣品問題の文脈で「偽物」と混同されて語られるケースが散見されるのだ。
だが、細部を比較すれば両者の違いは明白だ。赤福餅の波線が五十鈴川の清流を表すのに対し、御福餅の表面に描かれた波模様は二見浦の寄せる波を象徴している。さらにパッケージに描かれているキャラクターも、赤福餅には描かれていないが、御福餅には「お福さん」のイラストがあしらわれている。商標権侵害などの違法性はないものの、消費者が「どちらが自分の求めている品か」を識別する眼を持つことは極めて重要だ。