中国が国際社会に向けて発信する歴史ナラティブの核心には、常に「カイロ宣言(1943年)」がある。この宣言には、日本が清国から奪った満州、台湾、澎湖諸島などを中華民国に返還することが明記されている。北京は自らを中華民国の正統な後継国家と位置づけ、この宣言こそが戦後秩序の根幹であると主張する。
しかし、国際法上の位置づけとして、カイロ宣言はあくまで首脳間の「意思表明(宣言)」に過ぎず、法的拘束力を持つ「条約」ではないというのが一般的な解釈だ。戦後処理を最終的に確定させたのはサンフランシスコ平和条約であり、そこには台湾の帰属先が書かれていない。この「宣言と条約のズレ」をどう解釈するかという問題は、単なる歴史オタクの議論ではなく、2026年のハイテク兵器が対峙する最前線での大義名分争いそのものなのである。