レシピサイト等で散見される「イカをタレに30分漬け込んでから焼く」という手順。実はこれこそが、家庭のイカ焼きが固くパサつく最大の原因です。
イカの筋肉組織は加熱や塩分によって縮みやすい性質を持っています。調味液に長時間漬け込むと、浸透圧によってイカ内部の水分が外へ流出し、身が締まりすぎてゴムのような食感になってしまいます。さらに、水分を抱え込んだ状態で加熱するとフライパンの温度が急低下し、メイラード反応に必要な150℃以上の表面温度を維持できません。
「味を染み込ませる」のではなく、「濃厚に煮詰めたタレを表面に焼き付ける」という意識の転換こそが、柔らかさと濃厚な旨味を両立させるプロのセオリーです。