『ヒロアカ』の紙面から溢れ出す圧倒的な臨場感。その秘密は広角レンズを模した歪みパースの活用にある。単なる平面上のキャラクター配置にとどまらず、画面の奥行きと手前への飛び出しを極限まで強調する画風が特徴的だ。
王道少年漫画の戦闘シーンにおいて、パンチを繰り出す拳や蹴り出す足を画面手前に極端に大きく描く「フォアショートニング(極端な遠近描法)」が使われている。キャラクターの体のパーツがカメラに迫ってくるようなパースをつけることで、読者の視線は一瞬で画面の中心へと吸い寄せられる。この構図の計算こそが、静止画である漫画に圧倒的な動的エネルギーを注入しているのだ。