ここ数年、日本の若者たちの間で「昭和」に対する憧憬が止まらない。しかし、それは単なるノスタルジーではない。彼らが求めているのは、綺麗に整えられ、加工されたSNSのタイムラインには存在しない「生々しい現実」だ。
タイパ(タイムパフォーマンス)や効率性が最優先される2026年の日常において、無駄だらけで、傷つき、失敗ばかりを繰り返す登場人物たちの姿は、逆に新鮮で救いのように映る。失敗が即座にデジタルタトゥーとして刻まれ、自己責任論が蔓延する息苦しい現代だからこそ、どんなに無様でも泥を這いずり回って生きるキャラクターに、強烈なリアリティを感じるのだろう。