昭和のテレビっ子なら誰もが覚えているはずだ。彼の代表作とも言える「よせなべトリオ」での活躍や、名曲『与作』を信じられないほどの音痴で歌い上げるあの芸風を。あれは単なる下手な歌ではなかった。計算では決して作れない、天性の「ズレ」が生み出す極上のエンターテインメントだったのだ。
「バイのバイのバイ」というフレーズ一つで日本中を脱力させたあの破壊力。現在のテレビ番組のように、テロップや過剰な効果音で笑いを強要するスタイルとは対極にある。ただそこに立って、一生懸命に、そして少し不器用に歌うだけで笑いが生まれる。そんな奇跡的なキャラクターは、後にも先にも彼しかいない。