現在、現地の上に建てられているのが「地底の森ミュージアム」の愛称で親しまれる仙台市富沢遺跡保存館だ。一歩館内に足を踏み入れると、そこには息をのむ光景が広がっている。巨大な地下空間に、発掘された2万年前の植生と焚き火跡がそのまま露出保存されているのだ。
仙台市教育委員会の手によって管理されるこの施設は、照明や湿度の精密なコントロールにより、当時の空気感まで再現している。薄暗いホールで見下ろす太古の地表面。そこは歴史の本を読む場所ではない。時空の歪みに迷い込み、旧石器時代の氷河期へと直接足を踏み入れるような、唯一無二の体験が来館者を待っている。