ネット上の情報や一部の解説記事において、「翠雨」に関して散見される代表的な誤解が2点存在します。正しく使いこなすために把握しておくべきポイントです。
誤解1:「翠雨」は梅雨の雨全般を指す言葉である
気象上の「梅雨(ばいう)」と季語としての「翠雨」を混同するケースが少なくありません。梅雨は6月から7月にかけて続く陰鬱な長雨を指す傾向が強いのに対し、翠雨はあくまで「木々の緑が最も勢いを増す時期に降る恵みの雨」という情緒的・色彩的な側面に主眼があります。梅雨末期の豪雨や曇天続きの気配を表す言葉としては不適切です。
誤解2:雨が降っていない日には「翠雨の候」を使ってはいけない
時候の挨拶全般に言えることですが、「翠雨の候」は「草木を潤す雨が降るこの季節」という時候(シーズン全体)を指す記号です。したがって、手紙を投函する当日の天気が快晴であってもマナー違反にはなりません。ただし、連日記録的な日照りが続いている場合や相手の地域が渇水に見舞われている場合などは、受け手の心情に配慮して「新緑の候」や「薫風の候」など別の表現を選ぶのが配慮ある大人のマナーです。