2014年3月、満を持して世に放たれた三部作の完結編がガリガリ君リッチ ナポリタン味でした。ナポリタン風味のかき氷の中にトマトゼリーを散りばめたこの商品は、口に入れた瞬間に広がるケチャップの酸味と甘み、そして独特の風味が多くの消費者を震撼させました。
開発陣は「コンポタ、シチューと来たら次はナポリタンだ」と自信満々で製造ラインをフル稼働させましたが、結果は歴史的な大惨敗でした。店頭では山積みのまま売れ残り、最終的な在庫廃棄数は約300万本、損失額は約3億円の赤字に達したのです。
後に明かされた赤城乳業開発秘話によると、社内の試食段階でも「これはまずいのではないか」という声が上がっていたものの、前2作の成功体験が生んだ熱気と勢いを止めることができなかったといいます。しかし、赤城乳業の真骨頂はここからでした。多額の損失を隠蔽するどころか、メディアやイベントで「3億円の大赤字を出しました!」と大々的に自虐ネタとして公開し、見事に消費者の笑いと共感へ昇華させたのです。