リニア中央新幹線が採用する「超電導磁気浮上方式」は、従来の車輪とレールの摩擦による限界を完全に超越している。車体を約10センチメートル浮上させて走るため、摩擦抵抗がゼロになり、時速500キロメートルという超高速運転が可能になった。品川から名古屋までの距離は約286キロメートル。その約8割がトンネル区間という過酷なルート設計だが、最新のシールドマシン技術と徹底した運行管理システムによって、この驚異的なスピードが維持される。
驚くべきは、その加速力だ。発車からわずか数分で時速500キロメートルに達し、減速もスムーズ。乗客は、まるで飛行機が滑走路から離陸する瞬間のような緩やかなGを感じるだけで、あっという間に最高速度の世界へと誘われる。新幹線のような車窓の景色をゆっくり楽しむ暇などない。席についてコーヒーを一口飲み、少し書類に目を通している間に、もう愛知県の空気が窓の外に広がっているのだ。