浅野温子の夫という枠を超え、日本の広告界および音楽界に多大な足跡を残してきたのが魚住勉というクリエイターです。慶應義塾大学経済学部を卒業後、コピーライターとしてキャリアをスタートさせた彼は、数々の印象的なキャッチコピーを世に送り出しました。
伊勢丹や丸井、パルコなどの広告を手掛け、時代の空気を鮮やかに切り取る言葉の魔術師として高く評価された後、作詞家としても本格的に才能を開花させます。その代表作として名高いのが、武田鉄矢と芦川よしみ、あるいは日野美歌と葵司朗らのデュエットで社会現象となった『男と女のラブゲーム』です。
また、栄養ドリンク「リゲイン」のCMソングとして一世を風靡した『勇気のしるし〜リゲインのテーマ〜』(牛若丸三郎太)の作詞も担当しました。「24時間戦えますか」というフレーズと共にバブル期の日本を象徴するアンセムとなったこの楽曲は、彼の卓越した言語感覚を物語る代表例です。松田聖子やテレサ・テンといったトップシンガーにも詞を提供しており、昭和から平成のポップカルチャーを語る上で欠かせない巨匠のひとりです。