本作『トウキョウ・ディストピア』は、近未来の崩壊しかけた東京を舞台にしたオリジナルストーリーだ。退廃的な都市の片隅で起こる連続猟奇殺人事件。その謎を追う元刑事(浅野)と、事件の鍵を握る謎のストリートアーティスト(仲)の逃避行を描く。重厚なノワール調のトーンでありながら、随所に散りばめられたビビッドな色彩感覚が、これまでにない視覚体験を提供している。
特筆すべきは、その圧倒的なスピード感だ。謎が謎を呼ぶ展開のなかで、登場人物たちの感情の揺れ動きが容赦なくカメラに捉えられている。息を呑むような緊張感が全編に漂い、観る者を一瞬たりとも飽きさせない。