超高齢化が極限に達した現代日本において、検視官が臨場する現場の多くは「孤独死」だ。エアコンが切れた真夏の密室、あるいは冬の寒さの中で数週間放置された遺体。凄惨な現場に足を踏み入れ、五感を研ぎ澄まして事件性を見極める。遺体の傷、部屋の乱れ、スマートフォンの履歴。わずかな違和感も見逃さない執念が求められる。
「事件なのか、それとも病死なのか」。その見極めは、遺族の人生をも左右する。事件性が疑われれば即座に強制捜査へと移行し、そうでなければ静かに遺族へと引き渡される。2026年、多死社会の加速に伴い、1日に何件もの現場をハシゴする過酷な日常が常態化している。