中野市といえば、文部省唱歌『故郷』や『朧月夜』『春の小川』などの作詞で知られる国文学者・高野辰之の生誕地である。中野市立中野小学校の教育方針の根底には、彼が遺した「郷土を愛し、自然をいつくしむ」精神が脈々と流れている。
授業のあちこちに、その息吹が感じられる。音楽や社会科の時間を活用し、高野辰之が詠んだ歌詞の情景を実際の風景と照らし合わせながら学ぶ体験型カリキュラムが実施されているのだ。机上の勉強にとどまらない。足で稼ぎ、目で確かめる学習態度が、子どもたちの感性を豊かに育んでいる。初等教育の段階で自らのルーツに触れる体験は、自尊心や他者への思いやりを育む貴重な糧となっている。