いま、三猿のストーリー体験は日光の現地だけに留まらない。Google Arts & Cultureとのコラボレーションによる超高解像度ギガピクセル画像の公開により、現地では肉眼で確認することが困難な彫刻の毛並みや彩色痕、長押の接合技術まで、世界中からオンラインで鑑賞できる環境が整った。
観光・文化財産業においては、このデジタルアーカイブを活用した現地ガイドツアーやVRコンテンツが好評を博している。実物を見る前に8面全体のストーリーラインを予習し、現地で本物の木彫の質感や気品を直接体感するという「ハイブリッド型観光」が定着。かつて修学旅行で「三猿だけを見て終わり」だった参拝スタイルは劇的に変化し、物語全体を深く味わう滞在型観光へとシフトしている。