この衝撃的な研究成果に対し、建築史の第一人者である建築家・藤森照信氏は深い関心を示す。「土と草、そして木という身近な天然素材だけで、現代のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に迫る熱効率を実現していた点は見事というほかない」と、同氏は指摘する。
藤森氏によれば、構造体の接合部に使用されていたツル植物や樹皮の柔軟性が、地震の揺れを逃す免震構造としても機能していたという。現代建築が機械設備に頼って実現している温熱快適性や耐震性を、当時の人々は素材の特性と自然の物理法則を熟知することで完結させていた。建築史の視点からも、この発見は住宅概念のルーツを再定義する大きな転換点となっている。