本作を語る上で絶対に外せないのが、主演を務めた小栗旬と西島秀俊のふたりによる圧倒的な格闘シーンだ。吹き替え(スタントダブル)に頼らず、肉体を極限まで鍛え上げて自ら演じ切った殺陣は、従来の邦画やテレビドラマの枠組みを完全に超越していた。
彼らが習得したのは、東南アジアの伝統武術「カリ・シラット」。約1年間におよぶ過酷なトレーニングを経て挑んだ現場は、妥協を一切許さない熱量に包まれていた。数分間に及ぶワンカットでの戦闘シーンや、狭い車内での密着攻防など、息をのむようなリアリティはアクションドラマとしての金字塔と言えるだろう。危険と隣り合わせの現場で彼らがみせたプロフェッショナリズムこそが、画面越しに伝わる本物の緊張感を生み出した。