彼女の歩みを振り返る上で欠かせないのが、80年代アイドルシーンにおける圧巻の存在感である。1982年の衝撃的なヒット曲『少女A』で見せたツッパリ路線と哀愁を帯びた歌声は、当時のアイドル像を劇的に塗り替えた。単なる可愛らしさではなく、意志の強さと脆さを同居させた歌唱スタイルは、一瞬で全国の若者を魅了した。
そして1986年、代表曲『DESIRE -情熱-』で日本レコード大賞を受賞。斬新な着物風衣装とボブヘアー、圧倒的なステージパフォーマンスは、音楽番組の枠を超えたカルチャーの革新であった。衣装のデザインや振り付けにも自らアイデアを出し、楽曲の持つ世界観を立体的に構築していくセルフプロデュース能力は、すでにこの時代から群を抜いていた。