東京都武蔵村山市から瑞穂町にまたがる狭山丘陵は、首都圏に残された貴重な緑の島だ。スタジオジブリの宮崎駿監督が名作『となりのトトロ』の構想を練った舞台の一つとしても広く知られている。足を踏み入れれば、そこには都市の喧騒とは無縁の深い森が広がり、季節ごとに表情を変える樹木や野鳥の声が訪れる者を温かく迎えてくれる。
近年では、登山やハイキングの定番アプリ「YAMAP」でルートを記録しながら、森の深部へと足を進めるハイカーの姿も珍しくない。舗装された遊歩道から一歩分け入れば、太古の自然がそのまま残されているような感覚に包まれる。ただ景観を眺めるだけでなく、全身で森の呼吸を感じられる場所。それが、このエリアが持つ本質的な価値だ。