圧倒的なスピード感を映像として成立させた最大の功労者は、言うまでもなく声優キャスト陣の尋常ざる演技力である。主人公・斉木楠雄を演じた神谷浩史の超人的な滑舌と無感情なツッコミのトーンは、作品の屋台骨として揺るぎない存在感を放っている。
さらに、燃堂力役の小野大輔、海藤瞬役の島﨑信長をはじめとする共演陣の怪演が、画面全体のボルテージを極限まで引き上げた。アフレコ現場では酸欠状態になりながら収録が進められたというエピソードは有名だが、演者たちの命削りの熱量がテンポの中に凝縮されているからこそ、どれほどハイスピードであってもセリフが潰れず、視聴者の耳へダイレクトに突き刺さる。声優陣の職人技とも言える滑舌と間合いの技術が、時を経ても色褪せない強度を作品に与えている。