『ジャージー・ボーイズ』の核心にあるのは、単なる成功体験のドキュメンタリーではない。物語は、理髪店で働きながら歌手を夢見ていた少年フランキー・ヴァリと、彼を導き、時に衝突し、共に夢を追った「ザ・フォー・シーズンズ」のメンバーたちの愛憎劇だ。
奇跡と称されたヴァリのトワング(鼻にかかった独特のファルセット)は、聴く者の魂を揺さぶる。しかし、栄光のスポットライトが強く当たるほど、その足元に落ちる陰影もまた濃くなっていく。成功の果てに待っていたのは、過酷なツアー生活、家族とのすれ違い、そして逃れられない過去の呪縛だった。