カンボジアの首都プノンペン。高層ビルが立ち並び、かつての面影を急速に失いつつあるこの街で、後藤は「慈善家」としての地位を確立した。学校の建設や貧困層への寄付を行い、現地政府から最高勲章を授与され、国家元首クラスのコネクションを手に入れたのだ。
しかし、現地をよく知る関係者は「彼が持ち込んだのは善意だけではない」と声を潜める。日本国内で暴対法や暴排条例が強化され、身動きが取れなくなった資金が、カンボジアの不動産や開発事業に流れ込んだとされる。表向きはクリーンな投資。だが、その根底にあるのは、日本の裏社会で培われた圧倒的な資金力と交渉術に他ならない。