タモリが読み上げた弔辞のクライマックスにおいて、日本人の心に永遠に刻まれることとなった名フレーズが登場します。タモリは赤塚不二夫が遺した最大の哲学「これでいいのだ」に触れながら、次のように結びました。
「あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。過去を悔やむことなく、現在を喜び、未来に希望を持つ。すべてを受け入れることが『これでいいのだ』ということです。(中略)肉体は滅びても、先生が遺した数々の作品、そしてその思想は生き続けます。私もあなたの数多くの作品の一つです。ありがとうございました。」
この「私もあなたの作品の一つです」という言葉の意味には、極めて深い重層的な感情が込められています。
- 大恩人への絶対的な感謝と自己の帰属:無名の素人だった自分を発見し、生活のすべてを保障して世に送り出してくれた赤塚がいなければ、現在のタモリという存在はこの世になかったという事実への純粋な謝意。
- 赤塚ワールドの体現者としての宣言:マンガという紙の上の作品だけでなく、人間・タモリという存在そのものが「赤塚不二夫の最高傑作のギャグであり、芸術である」という誇りと自負。
- 「これでいいのだ」の思想的継承:赤塚が亡くなっても、赤塚の生み出した哲学と笑いは、タモリという「作品」を通じて生き続けるという決意表明。
告別式直後から、ネット上やメディア各所では感動の嵐が巻き起こりました。当時の掲示板やブログ、そして現代のSNSにおいても「涙が止まらない」「日本の芸能史・文化史における最高峰のスピーチ」「誰にも真似できない、本物の愛と絆」といった声が絶え間なく投稿され続けています。