現代のオフィス空間において、「人生何周目?」と称賛される人物は重宝される。上司の不機嫌をいなし、部下の悩みには深追いせず的確なアドバイスを渡し、面倒な社内政治からも軽やかに身をかわす。ハラスメントのリスクを回避し、リスク管理に長けた彼らは、まさに組織の潤滑油だ。
だが、その洗練された振る舞いの裏には、冷めた諦念が潜んでいることもある。「どうせ組織なんて変わらない」「波風を立てるだけ損だ」。青くさい情熱を捨て、あらかじめ失敗や対立を織り込んだ立ち回りは、組織から劇的なイノベーションや泥臭い熱量を奪い去ってしまう両刃の剣でもある。