1981年10月21日。日本のポップス史に、消えない足跡が刻まれた。シングル「センチメンタル・ジャーニー」でのデビュー。当時16歳だった彼女が放った「伊代はまだ、16だから」というフレーズは、単なる歌詞の枠を超え、当時の社会現象となった。キャッチコピーは「田原俊彦の妹」。そのプレッシャーを跳ね返すほどの輝きが、そこにはあった。
ショートカットの髪型に、少しはにかんだような笑顔。彼女が画面に現れるだけで、スタジオの空気がふわりと軽くなる。そんな不思議な引力が彼女には備わっていた。80年代初頭のアイドルシーンは、松田聖子を筆頭に群雄割拠の時代。その中で、松本伊代は独自の「妹ポジション」を確立し、お茶の間の愛されキャラクターとして君臨したのだ。