政界を引退後、細川護煕氏は神奈川県湯河原町に工房を構え、陶芸家としての道を歩んでいる。彼が作る器は、シンプルでありながらどこか力強い。それは、かつて千利休に師事した細川忠興(三斎)が築いた「細川茶道」の精神が、今も脈々と息づいている証拠かもしれない。
「名門のプレッシャーはなかったのか」という問いに対し、細川氏はかつてインタビューで、家柄は自分を縛るものではなく、表現の源泉であると語っている。歴史の重みを背負いながらも、それを土という自然の素材に昇華させる生き方は、現代を生きる私たちに新鮮な驚きを与える。