かつて座敷といえばグループ利用が前提だったが、現在は「おひとりさま専用の座敷スペース」を設ける店舗が急増している。パーテーションで適度に区切られた畳の小上がりで、庭園を眺めながら一人静かにいただくランチは、多忙な現代人にとって至高の贅沢だ。
一口ごとに噛みしめる感覚、お茶の湯気、畳の手触り。慌ただしくスマホを操作しながら済ませる昼食ではなく、自分の感覚だけに没頭する「マインドフルネス・ダイニング」のトレンドが、座敷という日本独自の構造と見事に合致した。一人の時間を大切にするZ世代やシニア層を中心に、この静かなムーブメントは全国へ拡大中だ。