遺書の中に明記されていた「遺産をすべてMに譲る」という記述は、遺産相続の観点からも大きな波紋を呼びました。猿之助は歌舞伎の興行権や関連会社、目黒区の豪邸など莫大な資産を有していたと見られています。
しかし、法律実務の観点から見ると、スケッチブック等に書かれたメモ書きが直筆証書遺言としての要件(日付や署名・押印の不備など)を満たしているかには疑問符がつきます。さらに、法的に有効な遺言書であったとしても、遺留分権利者や税務上の手続き、そして何より両親の死に関与した刑事事件の当事者である点から、財産の承継手続きは極めて複雑なプロセスを辿ることとなりました。
結果として、事件後の治療費や損害賠償、舞台の降板に伴う違約金対応などに資産が充てられることとなり、メッセージ通りの単純な一括相続が行われたわけではないことが関係者の証言で明らかになっています。