そして2026年、この議論に決定的な変数が加わった。生成AIをはじめとする高度な人工知能の台頭だ。これまで中央集権の弱点とされていた「膨大な情報の処理能力不足」が、AIによって克服されつつある。数億人の市民の意見や行動データをリアルタイムで解析し、最適な政策を瞬時に弾き出すAI官僚制。そんな未来が現実味を帯びている。
だが、AIをコントロールするのは誰か。結局のところ、そのAIシステムを握る中央の少数のエリートに権力がさらに集中するだけではないかという懸念は消えない。アルゴリズムによる支配は、人間の官僚による支配よりも冷徹で、かつ反論の余地を与えない。私たちは今、テクノロジーによって補強された「超・中央集権」の入り口に立っているのかもしれない。